家事代行に関する豆知識

「お手伝いさん」と「家政婦」の違いは?個人契約や住み込みのメリット・デメリットまで徹底解説

家事のサポートが必要なとき、「お手伝いさん」や「家政婦さん」という言葉が思い浮かぶ方は多いでしょう。昔ながらの「住み込みのお手伝いさん」を想像されるかもしれませんが、現代ではその形態も多様化しています。

特に「個人契約」で直接お願いしたい場合や、「住み込み」で常時サポートをお願いしたい場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

この記事では、「お手伝いさん」と「家政婦さん」の基本的な違いから、キーワードである「個人契約」や「住み込み」のメリット・デメリット、料金相場、そして近年主流の「家事代行サービス」との違いまで、詳しく解説します。

【 目 次 】

・「お手伝いさん」「家政婦さん」とは?

・「お手伝いさん」と「家事代行サービス」の違いは?

・  現代版の「お手伝いさん」と「家政婦さん」とは?

・「家事代行サービス」との違いは?

・「家事代行サービス」のご紹介

Ξ「お手伝いさん」と「家政婦さん」の違いは?

「お手伝いさん」と「家政婦」との違いってなに?

 

もともと、「お手伝いさん」は「女中」とも呼ばれ、住み込みで家事や雑事全般を行う人を指すことが多かったようです。一方、「家政婦さん」は、家事のプロフェッショナルとして通いで家事をこなす人を指すという使い分けがありました。

しかし、現代においてこの二つの呼称に厳密な違いはほぼありません。

どちらも「各家庭で家事やそれに付随する雑務を代行する職業」として、ほぼ同義で使われています。

法的には、これらの職業は多くの場合「家事使用人」と呼ばれます。これは「個人の家庭において、その家族の指揮命令のもとで家事全般に従事している者」を指し、後述する「個人契約」と深く関わってきます。

 

Ξお手伝いさん(家政婦)の契約形態:「個人契約」が基本

 

 

「お手伝いさん」と「家政婦」との違いってなに?

「お手伝いさん」や「家政婦さん」を利用する際の伝統的な形態が、利用者(家庭)と働き手(お手伝いさん)が直接、雇用契約や業務委託契約を結ぶ「個人契約」です。

法的に「家事使用人」とみなされる場合、労働基準法の一部(労働時間、休日、時間外割増賃金など)が適用除外となります(労働基準法第116条2項)。

これは、残業代や法定休日といった概念が原則として適用されないことを意味し、その分、契約内容が非常に重要になります。

【注意】労働契約法は適用されます。

労働基準法が適用除外であっても、解雇権の濫用などを禁じる「労働契約法」は適用されます。口約束であっても契約は成立しますが、トラブル防止のため必ず書面での契約を交わしましょう。

メリット:料金、柔軟性

個人契約のメリットは、その柔軟性にあります。

  • 料金が割安になる可能性
    企業(家事代行サービスなど)の中間マージンが発生しないため、時給や日当の交渉次第で、サービス利用料の総額を抑えられる可能性があります。
  • 柔軟な依頼が可能
    企業の規定(「この作業は対象外」など)に縛られず、双方の合意があれば、ペットの世話、子どもの送迎、来客対応など、幅広い業務を柔軟に依頼できることがあります。
  • 長期的な信頼関係
    同じ人に継続して来てもらうことで、家庭の事情や好み(味付け、掃除の仕方など)を深く理解してもらい、”阿吽の呼吸”でのサポートが期待できます。

デメリットと注意点:トラブルは自己責任

個人契約の最大のデメリットは、すべてのトラブル対応が「自己責任」となる点です。

  • 物損・盗難・ケガのリスク
    作業中にお皿を割った、家具を傷つけた、あるいは万が一の盗難や、お手伝いさん自身が作業中にケガをした場合でも、当事者間で解決する必要があります。企業が加入するような損害賠償保険に未加入の場合、補償を巡って深刻なトラブルになり得ます。
  • 契約内容の曖昧さ
    「ちょっと手伝って」といった口約束では、「どこまでが仕事か」「休日はいつか」「料金はいくらか」が曖昧になりがちです。
  • 相性やスキルの問題
    実際に働いてもらうまで、スキル(料理の味、掃除の丁寧さ)や人柄がわからないリスクがあります。相性が合わなくても、個人契約だと言い出しにくい側面もあります。

【対策】必ず「契約書」を作成する

トラブルを防ぐため、厚生労働省の「家事使用人の雇用ガイドライン」などを参考に、以下の点を明記した契約書を取り交わしましょう。

  • 業務内容(例:掃除(範囲)、洗濯、料理(朝夕)、買い物)
  • 勤務時間(例:月・水・金9時~15時)と休憩時間
  • 休日(土日祝、有給休暇の有無)
  • 報酬(時給/日給/月給、支払日、交通費)
  • 損害賠償(物損時の対応、保険加入の有無)
  • プライバシー保護(守秘義務)
  • 契約期間と解約条件

個人契約のお手伝いさんの探し方

  1. 知人・友人からの紹介
    最も信頼性が高い方法ですが、トラブルになった際に紹介者との関係が悪化するリスクも考慮する必要があります。
  2. 家政婦(夫)紹介所
    昔ながらの紹介所です。地域密着型で、利用者の要望を聞いて適切な人材を紹介してくれます。紹介手数料が発生しますが、ある程度のスクリーニングがされています。

マッチングプラットフォーム(アプリ/サイト)
近年増えている方法です。お手伝いさんのプロフィール、スキル、レビュー(口コミ)を見て、個人間で直接やり取りし契約します。サイト側が損害賠償保険を用意している場合もあり、個人契約のリスクを一部カバーできます。

 

Ξお手伝いさんの現代事情

 

「お手伝いさん」と「家政婦」との違いってなに?

 

かつては一般的だった「住み込みのお手伝いさん」ですが、現代では働き手・雇い手ともに減少し、探すのは容易ではありません。しかし、需要がなくなったわけではありません。

以下のような、常時または早朝・深夜のサポートを必要とする家庭で根強い需要があります。

  • 共働きで非常に多忙な家庭(家事・育児のフルサポート)
  • 経営者や富裕層(来客対応、スケジュール管理含む身の回りの世話)
  • 介護が必要な家族がいる家庭(家事と見守り・一部介助)
  • 幼い子どもが複数いる家庭

住み込みのメリット:24時間体制の安心感

最大のメリットは、家族の一員のように常駐してくれることによる「安心感」と「利便性」です。

  • 早朝の食事準備や夜遅くの帰宅に合わせた対応
  • 急な残業や出張時の子どもの世話
  • 家族の体調不良時などの緊急対応
  • 家を留守にする際の家やペットの管理

住み込みのデメリットと注意点:高額な費用とプライバシー

デメリットは非常に大きく、慎重な検討が必要です。

  • 高額なコスト
    通いの時給制とは異なり、月給制が基本です。相場は業務内容やスキル、拘束時間によって大きく変動しますが、月額35万円~50万円以上が目安となることが多いです。
  • 住居・光熱費・食費の負担
    上記給与に加え、お手伝いさんのための個室(プライベート空間)を用意し、その部屋の光熱費や食費(3食)も雇用主側が負担するのが一般的です。
  • プライバシーの問題
    「家族以外の他人が常に家にいる」状態になります。雇用主側も家族団らんの時間が持ちにくくなるなど、精神的なストレスを感じる可能性があります。
  • 労働時間と休日の管理
    「住み込み」であっても、24時間365日働けるわけではありません。「個人契約(家事使用人)」の場合、労働基準法の労働時間規制が適用されなくても、働き手の健康を守るため、明確な勤務時間、休憩時間、そして週1~2日の「休日」(外出を伴う完全なオフ)を契約で定めることが不可欠です。この線引きが曖昧だと、最もトラブルになりやすい部分です。

住み込みでの個人契約は、探しにくさに加え、管理・金銭・精神的なハードルが非常に高いため、専門の家政婦紹介所を通じて、ルールが明確な人材を紹介してもらう方が現実的でしょう。

 

Ξ「家事代行サービス」との違いは?

近年急速に普及しているのが「家事代行サービス」です。これは「お手伝いさん(個人契約)」とは全く異なるサービスです。

最大の違いは「契約先」と「トラブル対応」

  • お手伝いさん(個人契約)
    契約先:個人
    トラブル対応:自己責任
  • 家事代行サービス
    契約先:企業(家事代行会社)
    トラブル対応:企業が対応(損害賠償保険加入)

家事代行サービスは、企業が雇用・教育したスタッフが、会社のルールに基づいてサービスを提供します。スタッフは「家事使用人」ではなく、企業の「労働者」であり、労働基準法も適用されます。

比較早見表:お手伝いさん(個人契約)vs家事代行サービス

比較項目

お手伝いさん・家政婦さん(個人契約)

家事代行サービス(企業)

契約先

働き手(個人)と直接契約

家事代行会社と契約

雇用関係

利用者が直接雇用(または業務委託)

会社がスタッフを雇用

料金体系

当事者間の交渉(時給/日給/月給)

会社規定の時間料金(+オプション料)

依頼内容

話し合いにより柔軟に対応可能

会社の規定サービス範囲内

トラブル対応

当事者同士(自己責任)

会社が責任をもって対応

保険

未加入の場合が多い(要確認)

会社が損害賠償保険に加入

スタッフ

相性やスキルが合う人を探す必要あり

会社が教育。相性が合わなければ交代可能

法的位置づけ

家事使用人(労基法一部適用除外)

会社の労働者(労基法適用)

まとめ:あなたに合うのはどの形態?

「お手伝いさん」を探す際には、ご自身のニーズに合わせて形態を選ぶことが重要です。

▼「お手伝いさん(個人契約)」がおすすめな人

  • コストを抑えたい(ただし交渉次第)
  • 特定の信頼できる人に、長期的に継続して頼みたい
  • サービス範囲外のことも含め、柔軟に対応してほしい
  • 契約書の作成やトラブル対応を自分で行う覚悟がある人

▼「住み込み」を検討する人

  • 家事・育児・介護などで常時サポートが必要
  • 月額50万円以上の高額なコストと、プライバシーの制約を受け入れられる人

▼「家事代行サービス」がおすすめな人

  • まずはお試しで短時間から利用したい
  • 物損や盗難など、万が一のトラブル対応に不安がある人
  • 面倒な契約交渉なしに、手軽に利用を開始したい
  • 必要な時だけスポットで頼みたい

 

家事代行サービスのLOBBY(ロビー)

 

LOBBY(ロビー)は首都圏と関西圏で高品質な「家事代行サービス」を提供しています。

 

当社は首都圏と関西圏で高品質な「家事代行サービス」を提供している会社です。忙しい皆さまに「ホテルで暮らすような快適な毎日」をお届けするをコンセプトに、2005年の設立以来、経営者や医師などの多くの富裕層の方々にご利用いただいております。いつも通り、希望通りに。週1回 / 2時間~の定期サービスで、掃除・洗濯・料理などの日常の家事を代行しています。

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監修

株式会社ロビー / 富裕層向け家事サービスのLOBBY(ロビー)

代表取締役
対馬 誉仁(Tsushima Takahito)

1977年香川県生まれ。慶應義塾大学商学部卒。JPモルガン証券を経て、2005年株式会社ロビーを設立。 「忙しい皆さまにホテルで暮らすような快適な毎日をお届けしたい」という想いが社名の由来。趣味は「仕事!」と言い切る熱血社長。