家政婦に支払ったお金は経費にならない?なる場合の違いと注意点を解説!
突き詰めて言うと「経費」を計上する目的は、納める税金を少なくするためです。しかし、誤って経費にならないものを経費として計上したり、プライベートな費用を不正に経費に含めたりすると、ペナルティが科されより多くの税金を納めなければならないということになりかねません。
では、家事代行サービスをお願いした場合、あるいは個人契約で家政婦さんを雇った場合、その代金は「経費」として認められるのでしょうか。今回は、そんな疑問にお答えすべく「家政婦」と「経費」についてお話しをしていきたいと思います。
|
目次 【税法上の「家事使用人」とは?】 【家政婦に払ったお金は経費になる?】 【家政婦にお金を払う際の注意点】 【安心・信頼できる家事サービスをお探しなら】 |
【税法上の「家事使用人」とは?】

「家事使用人」というとなにやら古めかしい印象の言葉ですが、要は「家政婦さん」と同義と考えてよいでしょう。但し一般にいう「家政婦さん」は雇用関係によって「家事代行サービス会社のスタッフさん」と「個人契約している家政婦さん」とに大きく分けられます。最初にその違いについてご説明しておきましょう(参照:コラム「家事代行の「雇用型」と「マッチング型」(個人契約)の違いとは?メリデメ・注意点について解説」)。
・家事代行サービス会社のスタッフさん
「家事代行サービス会社のスタッフさん」は、訪問先の個人や法人に雇われているわけではなく、あくまで雇い主は家事代行サービス会社です。この場合の「家政婦さん」は「家事使用人」には該当しません。
・個人契約している家政婦さん
一方、「個人契約している家政婦さん」の場合、雇い主は訪問先の個人が雇い主となります(雇い主が法人であっても、その会社の社長宅や役員宅で家事を行う場合、雇い主が個人の場合と同じ扱いとなります)。この場合の「家政婦さん」が「家事使用人」にあたります。
税法上の「家事使用人」は「個人契約している家政婦さん」とご認識ください。
家政婦の源泉徴収についてはこちら
家政婦に支払うお金から源泉徴収しなければならないのはどんな時?
【家政婦に払ったお金は経費になる?】

・家政婦に払ったお金は経費にならない
結論から申し上げて、家政婦さんに支払ったお金は「経費」にはなりません。「経費」とは事業で収入を得るために必要となる費用のことです。すなわち、事務所の地代家賃代、従業員の賃金、事業の広告宣伝費、等々です。したがって、個人宅で家事全般に従事する家政婦さんに支払うお金は、事業に収益をもたらすものとはみなされず「経費」として認められないのが一般的です。これは家政婦さんが「家事代行会社のスタッフさん」である場合でも、「個人契約している家政婦さん」の場合でも変わりありません。
しかしながら、家政婦に払ったお金が「経費」として認められるケースもあります。次に「経費」として認められるのは、どのような場合なのかについてご説明します。
・家政婦に払ったお金が経費になる場合
企業が人に対して支払う経費は、主に「給料」と「外注費」の2つでしょう。家政婦さんに払ったお金が、「給料」もしくは「外注費」と認められる場合に限り、「経費」として計上できます。具体的に言うと、家政婦さんに個人宅での家事業務ではなく、事務所の清掃をしてもらう、従業員の食事を作ってもらうなど事業所内の業務をしてもらうならば「経費」として計上できるでしょう。この場合、家政婦さんが「個人契約している家政婦さん」であれば「給料」、「家事代行サービス会社のスタッフさん」の場合は「外注費」と考えることになります。
家事代行が経費として認められる場合についてはこちら
家事代行が経費として認められるケースとは?経費を払う際の注意点や家事代行を依頼するメリットを解説!
【家政婦にお金を払う際の注意点】

以上、「家政婦さん」と「経費」についての関係についてお話ししてまいりました。次に、「家政婦さん」に実際にお金を支払う際の注意点についても解説しておこうと思います。
・家政婦の源泉徴収について
通常の会社員は毎月の給料から源泉徴収されます。では、家政婦さんの場合はどうでしょう。先の【税法上の「家事使用人」とは?】の章で家政婦さんには、「家事代行サービス会社のスタッフさん」と「個人契約している家政婦さん」の2つのタイプがあると述べました。実は、「家事代行サービス会社のスタッフさん」と「個人契約している家政婦さん」によって源泉徴収も異なるのです。個々に解説していきましょう。
▼「家事代行サービス会社のスタッフさん」の場合:雇用元が家事代行サービス会社なので、一般の会社員と同じ扱いとなり源泉徴収が必要です。事業者は所得税や住民税を予め支払い金額から差し引いて納税者の代わりに納付しなければなりません。
▼「個人契約している家政婦さん」の場合:「個人契約している家政婦さん」は「家事使用人」にあたるので、雇い主は源泉徴収の必要がありません。その代わり「個人契約している家政婦さん」は毎年ご自身で確定申告をしなければなりません。
以上が、「家事代行サービス会社のスタッフさん」と「個人契約している家政婦さん」の源泉徴収の違いです。
・医療費控除の対象となる場合もある
例えば、寝たきりのご家族がいらしてその療養のために家政婦さんを個人契約するといったこともあるかもしれません。そういった場合、家政婦さんに支払ったお金が医療費控除の対象となる場合があります。療養上の世話をしてもらうことを目的に家政婦紹介所から家政婦さんを紹介してもらった場合であれば、家政婦紹介所に支払う紹介手数料も医療費控除の対象となる場合もあります(家事をしてもらう目的であれば対象外となります)。自治体によって制度や手続き方法が異なることもありますので、詳細はお近くの地方自治体の担当部署に相談されることをお奨めします。
家政婦を雇う際の注意点についてはこちら
住み込み家政婦の料金相場は?雇うメリットや注意点も紹介
【家事代行の経費に関するよくある質問(FAQ)】
「家事代行 経費」に関して、多くの方が疑問に思うポイントをQ&A形式でまとめました。記事のまとめとして、あるいは個別の疑問解消にご活用ください。
Q1. 個人事業主ですが、家事代行費用は全額経費にできますか?
A1. 原則として、家事代行は「家事費(私生活の費用)」とみなされるため、全額を経費にすることは極めて困難です。 税務署の判断基準は「その支出が売上を作るために直接必要か」です。家事代行で浮いた時間を仕事に充てたという主観的な理由だけでは認められにくいため、基本的には私的な支出として扱われます。
Q2. 経費として処理する場合、勘定科目は何を使えばよいですか?
A2. 利用目的や事業形態によって異なりますが、一般的には以下の科目が使われます。
- 個人事業主(按分する場合): 「支払手数料」や「雑費」
- 法人(福利厚生として): 「福利厚生費」
- 法人(来客対応・清掃): 「管理諸費」や「衛生費」
- ギフトとして贈る場合: 「接待交際費」
継続的に利用する場合は、一度決めた科目を使い続ける(継続性の原則)ことが税務上の信頼性を高めるポイントです。
Q3. 法人経営者が自宅の掃除を依頼した場合、福利厚生費にできますか?
A3. 経営者や特定の役員のみを対象とする場合は、福利厚生費としては認められず「役員報酬(給与)」とみなされるリスクが高いです。 福利厚生費として認められるためには、「全従業員が平等に利用できる制度(規程)」である必要があります。特定の個人だけが恩恵を受ける場合は、その費用分に所得税がかかる可能性があるため注意してください。
Q4. 自宅兼事務所で働いている場合、按分(あんぶん)は可能ですか?
A4. 事務所として使用しているスペースの清掃に限定されるのであれば、面積比率などに基づいて按分計上できる可能性があります。 例えば、自宅の30%を仕事専用スペースとして使用している場合、清掃費用の30%を経費とする考え方です。ただし、プライベート空間(キッチンや寝室など)が含まれる場合は、業務との関連性を説明するのが難しくなるため、作業範囲を明確にしておくことが重要です。
Q5. 領収書があれば必ず経費として認められますか?
A5. 領収書は「支払いの証拠」であり、経費としての「妥当性」を保証するものではありません。 税務調査では「なぜその家事代行が事業に必要だったのか」を問われます。領収書だけでなく、利用した日の業務日誌や売上の状況など、事業運営に不可欠であったことを客観的に説明できる資料をあわせて準備しておくのが理想的です。
Q6. 共働きでベビーシッターを依頼した場合も経費になりますか?
A6. 現在の日本の税制では、個人事業主がベビーシッター代を「事業経費」に算入することは原則として認められていません。 育児はあくまで家庭の事情(家事費)と判断されるためです。ただし、法人が福利厚生として従業員に提供する場合や、自治体独自の助成金、ベビーシッター派遣事業割引券(旧内閣府割引券)を活用することで実質的な負担を減らすことは可能です。
Q7. 取引先へのギフトとして家事代行チケットを贈った場合は経費になりますか?
A7. 事業上の関係がある相手への贈り物であれば、「接待交際費」として経費計上できる可能性が高いです。 お中元やお歳暮、開店祝いなどの名目で家事代行チケットを贈ることは、合理的な事業上の目的(関係構築)があるとみなされます。この場合、受け取った相手の情報と目的を明確に記録しておきましょう。
Q8. 領収書を紛失してしまった場合、どうすればいいですか?
A8. 振込明細、クレジットカードの利用明細、予約完了メールなどで代用できる場合があります。 家事代行サービスはオンライン決済が多いため、マイページから発行される利用明細をプリントアウトしたものでも証憑書類として有効です。ただし、税務上の要件(日付・金額・支払先・内容)がすべて記載されているか確認してください。
【安心・信頼できる家事サービスをお探しなら】

私たちLOBBY(ロビー)では、法人契約はもちろん、法人で所有するゲストルームの管理、クリニックやSOHO(自宅兼事務所)など個人宅以外でのサービスも承っております。なにかお困りごとやご質問がございましたら、どうぞお気軽にお問合せ(お客様専用フリーダイヤル:0120-062-022)くださいませ。
|
併せて読みたい関連記事 |