家事代行に関する豆知識

「家事援助」って「家事代行」とは違うの?両者の違いについて徹底解説

 厳密にいうと、平成15年4月の「介護保険制度」の改訂で訪問介護の「家事援助」は「生活援助」という呼称に変更となりました。しかし未だに「家事援助」という言葉を使われるケースも多いようです。先ほど「介護保険制度」という言葉を使ったとおり、「家事援助」(「生活援助」)というのは介護に関係するものです。「家事代行」と似てはいますが、意味合いは大きく異なります。今回は似て非なる「家事援助」と「家事代行」について、お話していきましょう。

目次

「家事援助(生活援助)」とは?

「家事援助(生活援助)」でできること・できないこと

「家事援助(生活援助)」のメリットとデメリット

「家事代行サービス」のメリットとデメリット

「介護保険サービス」と「保険外サービス」の併用

 

・「家事援助(生活援助)」とは?

 

「家事援助」って「家事代行」とは違うの?両者の違いについて徹底解説

 

 「厚生省老人保健福祉局老人福祉計画課長の通知」(平成12年3月17日 老計第10号)によると、生活援助を「身体介護以外の訪問介護であって、掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助(そのために必要な一連の行為を含む)であり、利用者が単身、家族が障害・疾病などのため、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われるものをいう。(生活援助は、本人の代行的なサービスとして位置づけることが でき、仮に、介護等を要する状態が解消されたとしたならば、本人が自身で行うことが基本となる行為であるということができる。)」と定義づけています。
 つまり、生活援助は、介護保険を有している人を対象に身の回りの生活を支援するものであり、あくまでも利用者本人が日常生活を送る上で困っている、もしくは不自由している部分を支援するということなのです(しかも、生活援助サービスの時間は、「60分以内」と介護保険で定められています)。極端な例を挙げれば、家事を行える家族が同居している場合には、生活援助は利用することができないということです(もちろん、同居家族が障害・疾病・仕事などのため、家族も家事を行うことが困難な場合などはこの限りではありません)。

 以上のように、「家事援助(=生活援助)」と「家事代行サービス」とは、似ているのは言葉だけで、内容は全く異なるものなのです。これは、介護保険内で行う「生活援助」は、家事代行サービスと異なり「利用者本人の自立支援」を目的としているものであり、仮に介護が不要になった際には本人自身が行うことが基本という考えに基づいているからなのです。

家事代行との違いについて詳しくはこちら
「家事援助」って「家事代行」とは違うの?両者の違いについて徹底解説

・「家事援助(生活援助)」で、できること・できないこと

 

「家事援助」って「家事代行」とは違うの?両者の違いについて徹底解説

 

 「家事代行サービス」は女性一人で対応するには危険な作業(例:高所での作業、重量物の移動や運搬、等)や専門的な作業(例:エアコンの分解洗浄、等)以外であれば、大抵のことには対応してくれます。では、家事援助はどうなのでしょう。前章で述べたことをより具体的に解りやすく説明していきましょう。

 

【家事援助における掃除】

 生活援助における主な掃除の対象は、居室、トイレ、洗面所、浴室などで家事代行サービスのそれと大きく変わりません。但し、それらの場所が要介護者が利用する範囲内でなくてはなりません。したがって、例えば要介護者が使用するトイレが1階で、同居する家族が使用するトイレが2階というように別であるならば、要介護者が使用する1階のトイレしか、掃除をしてはいけないという決まりになっています。
 当然、同居する家族が寝起きする部屋の掃除や、窓拭きや花木の水やりなど、要介護者が日常生活を営むのに支障が生じないと判断される作業は生活援助の対象外となります。

 

【家事援助における洗濯】

 生活援助における洗濯は、ただ単に洗濯物を洗濯するだけでなく、乾燥(干す)・取り込み・畳み・収納が基本です。但し、これも要介護者の衣類に限ります。要介護者の衣替えや外れかかった釦やほつれなど衣類の補修も含まれます。要介護者が箪笥から衣服を出し入れすることが困難になっている場合には、しゃがんだり、背伸びしなくとも衣服が出し入れしやすいように胸の高さの棚にしまうなどの配慮もしてくれます。

 

【家事援助における料理】

 生活援助における調理は、要介護者の食事の用意から配膳、片付けなどを行います。お誕生日だからといって特別な料理を作ったり、おせち料理などの調理をすることはありません。あくまでも「普段の身の回りの生活を支援する」ということが主体です。もちろん一食分作るのも三食分作るのも手間は同じだからといって、ご家族の分を一緒に調理するということもNGです。

 

【家事援助における薬の受け取り】

 家事代行サービスでこういったご依頼を承ることはありませんが、家事援助では、ホームヘルパーの方が医師が発行した処方箋を持参して調剤薬局に薬を受け取りにいくというサービスがしばしば見受けられます。お薬の受け取りは非常に重要な行為です。責任を持って行う必要があります。地域内の近隣の店舗等で生活必需品を購入するのとは訳が違うので細心の注意が必要です。

 

 以上のように、家事援助(生活援助)には様々な制約があることがお解りいただけたことと思います。それを踏まえたうえで、家事援助(生活援助)のメリットとデメリット、家事代行サービスのメリット・デメリットを比較してみてみましょう。

家事代行の頼めることについてはこちら
家事代行サービスで何を頼む?頼めること・頼めないことや業者を選ぶときの6つのポイントを解説

 

 

・「家事援助」(生活援助)のメリットとデメリット

 

「家事援助」って「家事代行」とは違うの?両者の違いについて徹底解説

 「家事援助」(生活援助)を含む訪問介護に従事する訪問介護員は、次の資格のいずれかが必要です。

・介護福祉士
・実務者研修修了
・介護職員初任者研修修了

 これらの資格に加えて、2018年度に新設された「生活援助従事者研修」を修了している人も「家事援助」(生活援助)に従事できるようになりました(但し、要介護者の身体に触れる「身体介護」を行うことはできません)。
 訪問介護員は介護に関する知識が豊富な「プロ」なので、万が一の事態に対応してもらえるのは、安心のできる大変大きなメリットです。
 逆に「家事援助」(生活援助)の部分に限定してみると、時間的・作業内容的に大きな制約がかかるのがデメリットでしょう。

介護サービスについてはこちら
介護保険外サービスとしての「家事代行」の活用法をご紹介!

 

・「家事代行サービス」のメリットとデメリット

 

「家事援助」って「家事代行」とは違うの?両者の違いについて徹底解説

 

 一方「家事代行サービス」のメリットは時間や作業内容の制約が少なく、依頼者の要望に対して幅広く対応してくれることがメリットです。デメリットとしては、やはりコストの問題と、いざという時に介護にまつわる作業が全く対応できないということでしょう。

 

 今まで申し上げてきたとおり「家事援助」(生活援助)とは身体介護以外の訪問介護を指します。訪問介護の「家事援助」の部分を制約の少ない「家事代行サービス」に任せてしまい、「家事代行サービス」では対応できない身体介護の部分を訪問介護で補ってもらおうという利用の仕方が主流になりつつあります。それが所謂「介護保険と保険外サービスの併用」なのです(参照:コラム「介護保険外サービスとしての「家事代行」の活用法をご紹介!)。

家事代行の詳しいメリット・デメリットについてはこちら
家事代行を利用する際のメリット・デメリットとは?

 

・「介護保険サービス」と「保険外サービス」の併用

 

「家事援助」って「家事代行」とは違うの?両者の違いについて徹底解説

 

 「介護保険サービス」と「保険外サービス」としての「家事代行サービス」を併用することで、介護保険のご利用者の医療行為(注射・点滴・他)、排泄介助、清拭介助などはヘルパーさんにお願いし、部屋や水回りの掃除、食事の作り置きなどを家事代行のサービススタッフにお願いするようにすれば、ご家族の負担もかなり軽減されるのではと考えます。

 担当医の先生、ケアマネージャーの方、ご家族で介護保険のご利用者にとってまたご家族にとって、「保険外サービス」をどう活用するのが最もベストなのか、ご検討いただける機会をお持ちいただければと考えます。「介護保険外サービス」として「家事代行サービス」をご検討の際には、是非私どもLOBBY(ロビー)にもお気軽にご相談いただければと思います。微力ながら精一杯お手伝いできればと考えております。

 どうぞお気軽にお電話(お客様専用フリーーダイヤル:0120-062-022)もしくは、「フォーム」でお問い合わせくださいませ。それでは皆様からのお問い合わせを心よりお待ち申し上げております。

保険について詳しくはこちら
介護保険外サービスとしての「家事代行」の活用法をご紹介!

 

家事援助に関するよくある質問(FAQ)

家事援助サービスの利用を検討されている方から、よく寄せられる質問をまとめました。

Q1.「家事援助」と「家事代行」は何が違うのですか?

 A. 大きな違いは、**「公的な保険(制度)を利用するかどうか」**にあります。

  • 家事援助: 介護保険や障害福祉サービスの一環として提供されるものです。利用料金の自己負担が1〜3割で済みますが、利用できる内容や時間に厳格なルールがあります。
  • 家事代行: 民間企業が提供するサービスです。全額自己負担となりますが、サービスの制限が少なく、来客対応や庭木の手入れなど柔軟な依頼が可能です。

Q2. 家事援助ではどのようなことをお願いできますか?

 A. 利用者本人の日常生活に直接必要な支援が対象となります。

  • 主な内容: 調理、洗濯、掃除(居室やトイレなど)、生活必需品の買い物、薬の受け取りなど。
  • あくまで「本人が自立した生活を送るためのサポート」が目的であるため、何でも頼めるわけではない点に注意が必要です。

Q3. 家族の分の食事作りや掃除もお願いできますか?

 A. 残念ながら、同居家族のための家事援助は原則として認められていません。

家事援助は「利用者本人のための援助」に限定されています。そのため、以下のような内容はサービスの対象外となることが一般的です。

  • 家族の部屋の掃除や洗濯
  • 家族の分の調理
  • 来客の応対
  • 自家用車の洗車や庭の手入れ

Q4. 障害福祉サービスの「家事援助」を利用するための条件は?

 A. 障害支援区分が一定以上に該当し、家事を行うことが困難な方が対象です。

基本的には、一人暮らしの方や、同居家族が病気や障害などの事情により家事を行うことが難しい場合に支給が決定されます。お住まいの市区町村の福祉窓口や、相談支援事業所へ相談することから始まります。

Q5. 介護保険の「訪問介護(生活援助)」との併用は可能ですか?

 A. 原則として、介護保険が優先されます。

65歳以上の方(または特定の病気を持つ40〜64歳の方)で、介護保険の要介護認定を受けている場合は、まずは介護保険の「訪問介護」を利用します。障害福祉サービス固有の支援が必要な場合など、例外的に併用が認められるケースもあるため、ケアマネジャーや市区町村の窓口に確認することをおすすめします。

 

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