家事代行に関する豆知識

家事代行が経費として認められるケースとは?経費を払う際の注意点や家事代行を依頼するメリットを解説!

 突き詰めて言うと「経費」を計上する目的は、納める税金を少なくするためです。しかし、誤って経費にならないものを経費として計上したり、プライベートな費用を不正に経費に含めたりすると、ペナルティが科されより多くの税金を納めなければならないということになりかねません。

 では、家事代行サービスをお願いした場合、あるいは個人契約で家政婦さんを雇った場合、その代金は「経費」として認められるのでしょうか。今回は、そんな疑問にお答えすべく「家政婦」と「経費」についてお話しをしていきたいと思います。

目次

税法上の「家事使用人」とは?

個人宅で利用する家事代行は経費として認められない

家事代行が経費として認められるケースを解説!

家事代行サービスを事務所等で利用した場合の費用の内訳とは?

家事代行サービスで経費を払う際の注意点

個人事業主や自営業の人が家事代行を依頼する5つのメリットとは?

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Ξ税法上の「家事使用人」とは?                      家政婦に支払ったお金は経費にならない?なる場合の違いと注意点を解説!

 「家事使用人」というとなにやら古めかしい印象の言葉ですが、要は「家政婦さん」と同義と考えてよいでしょう。但し一般にいう「家政婦さん」は雇用関係によって「家事代行サービス会社のスタッフさん」と「個人契約している家政婦さん」とに大きく分けられます。最初にその違いについてご説明しておきましょう(参照:コラム「家事代行の「雇用型」と「マッチング型」(個人契約)の違いとは?メリデメ・注意点について解説」)。

家事代行サービス会社のスタッフさん

「家事代行サービス会社のスタッフさん」は、訪問先の個人や法人に雇われているわけではなく、あくまで雇い主は家事代行サービス会社です。この場合の「家政婦さん」は「家事使用人」には該当しません。

 家事代行サービス会社から派遣されるスタッフは、会社との雇用契約に基づいて働いており、利用者とは業務委託契約を結んでサービスを受ける形となります。そのため、利用者が個別に給与を支払うわけではなく、支払いはサービス会社への対価として扱われます

 この場合、税務上の取り扱いは個人契約の家政婦とは大きく異なり、家事代行サービスの費用は、例えば事業用スペースの清掃や福利厚生目的での利用など、事業に関連し利用目的が明確な場合に限り、経費として計上できる可能性があります。ただし、私的利用や事業関連性が不明確な場合は経費計上が認められないため、契約内容や利用目的を明確にし、適切に管理することが重要です。

個人契約している家政婦さん

 一方、「個人契約している家政婦さん」の場合、雇い主は訪問先の個人が雇い主となります(雇い主が法人であっても、その会社の社長宅や役員宅で家事を行う場合、雇い主が個人の場合と同じ扱いとなります)。この場合の「家政婦さん」が「家事使用人」にあたります。

 税法上の「家事使用人」は「個人契約している家政婦さん」とご認識ください。

 こうした個人契約の家政婦は、家政婦紹介所などから紹介され、利用者と直接雇用契約を締結して働きます。労働基準法の適用対象外となることが多く、一般の従業員とは異なる扱いを受けます。

 この雇用形態では、利用者が雇用主として労務管理や税務上の責任を負い、特に源泉徴収の義務の有無は「家事使用人」であるかどうかで大きく異なります。家事使用人に該当する場合、所得税の源泉徴収は原則不要ですが、家政婦側は所得税確定申告が必要になるケースが一般的です。

 なお、「家事使用人」に該当する家政婦に支払った給与は、生活費として扱われるため、事業経費としては認められません。この点も合わせて理解しておくことが大切です。

Ξ個人宅で利用する家事代行は経費として認められない

 個人宅で利用する家事代行サービスは、原則として経費計上が認められません。これは税法上の「家事費」に該当するためです。家事費とは、個人の生活に関連する支出を指し、事業所得の計算上必要経費として認められていません

 具体的には、一般的な掃除、洗濯、料理、買い物代行などの家事全般が該当します。これらは個人の日常生活を維持するための支出であり、事業活動とは直接関係がないと判断されるでしょう。たとえ個人事業主や自営業者であっても、生活に関する支出は事業経費として計上できないのです。

 ただし、自宅を事務所と兼用している場合は、事業用部分の面積や使用時間などに基づき合理的に按分計算を行い、その費用を事業経費として計上することが認められています。合理的な按分根拠を記録・保管し、契約書や領収書に利用内容を明記しておくことも重要です。

Ξ家事代行が経費として認められるケースを解説!

 家事代行サービスが経費として認められるケースは限定的ですが、適切な条件を満たせば計上可能です。重要なのは事業との関連性を明確に示すことにほかなりません。

 会社の場合と個人事業主の場合では、経費計上の条件や処理方法が異なるため、それぞれの状況に応じた適切な対応が必要になります。

会社の場合

 会社が家事代行サービスを利用する場合、オフィスや事業所の清掃・整理整頓であれば経費計上が可能です。これらは事業活動に直接関連する支出として認められます。特に、来客対応や従業員の作業環境改善を目的とした清掃サービスは、事業の円滑な運営に必要な経費といえます。

 会議室の清掃、応接室の整理整頓、共用スペースの維持管理などが該当します。また、役員や従業員の住宅で行う家事代行サービスであっても、福利厚生として適切に処理すれば経費計上が可能です。ただし、この場合は受益者である役員や従業員に対する現物給与として課税される可能性があるかもしれません。

 会社が家事代行サービスを利用する際は、契約書や領収書の適切な管理が重要です。サービス内容、利用場所、利用目的を明確に記録し、事業関連性を証明できる体制を整えることが必要でしょう。

個人事業主の場合

 個人事業主が家事代行サービスを経費計上する場合、事業用部分に限定した利用が条件となります。自宅兼事務所での事業用スペースの清掃や整理整頓が主な対象と想定され、具体的には、執務室の清掃、資料整理、来客用スペースの維持管理などが該当します。

 これらは事業活動に直接関連する業務として認められる可能性があります。ただし、生活用部分との明確な区分が必要です。按分計算による経費計上も可能ですが、合理的な根拠が求められます。

 床面積比や使用時間比などを基準として、事業用部分の割合を明確に算出する必要があるでしょう。個人事業主の場合、税務調査の際に生活費との混同を指摘される可能性が高いため、特に注意深い処理が必要です。サービス利用時には業務内容を詳細に記録し、事業関連性を証明できる資料を準備することが重要です。

Ξ家事代行サービスを事務所等で利用した場合の費用の内訳とは?

 家事代行サービスを事務所等で利用した場合の費用は、利用内容に応じて適切な勘定科目で処理する必要があります。一般的には、清掃サービスは「清掃費」「修繕費」「外注費」として計上されることが多く、費用の内訳には基本料金、交通費、特別清掃費、用品費などが含まれます。

 これらの費用はすべて事業に関連する支出として経費計上が可能です。ただし、領収書や請求書の内容を詳細に確認し、適切な勘定科目で処理することが重要になります。

 定期契約の場合は、月額や年間契約で割引が適用されることもあり、その際は契約期間に応じた按分計算が必要になることがあります。前払いした場合は「前払費用」として繰り延べ、利用月に応じて費用計上するのが適切です。

 特別な清掃作業や整理整頓サービスが単発である場合は、一時的な費用として「雑費」で処理することも可能です。しかし、金額が大きい場合や定期的に利用する場合は、専用の勘定科目を設けて管理することを検討したほうがよいでしょう。

 また、家事代行サービスは消費税の課税対象ですので、適切な税額計算と申告が必要です。契約内容を詳しく把握し、適切に経理処理するようにしましょう。

Ξ家事代行サービスで経費を払う際の注意点

 経費として家事代行サービスを計上する際は、適切な経費処理のポイントをしっかり押さえることが非常に重要です。税務上の注意点を見落としてしまうと、税務調査で指摘を受けるリスクが高まります。特に、個人契約の場合は源泉徴収義務の有無や医療費控除の適用条件、さらに按分計算の根拠など、制度を正確に理解しておく必要があります。

  損をしないためにも、ここでこれらの重要な注意点について詳しくチェックしておきましょう。

家政婦の源泉徴収について理解する

 個人契約の家政婦(家事使用人)に支払う給与については、一定の条件で源泉徴収義務が発生します。具体的には、常時3人以上の家事使用人を雇用している場合や、他に従業員がいる場合に源泉徴収が必要です。一方、2人以下の家事使用人の給与を支払っている個人は、所得税法の特例により源泉徴収義務が免除されています。

 源泉徴収する場合は、給与所得の源泉徴収税額表に基づいて計算し、扶養控除等申告書の提出状況によって税額が変わるため、適切な手続きを行う必要があります。徴収した所得税は、その翌月10日までに税務署へ納付しなければなりません。

 また、継続的な雇用関係がある場合には年末調整の対象となることもあるため、家事使用人特有の扱いを踏まえ、専門家に相談しながら適切に対応することが望ましいでしょう。

医療費控除の対象となる場合もある

 例えば、寝たきりのご家族がいらしてその療養のために家政婦さんを個人契約するといったこともあるかもしれません。そういった場合、家政婦さんに支払ったお金が医療費控除の対象となる場合があります。療養上の世話をしてもらうことを目的に家政婦紹介所から家政婦さんを紹介してもらった場合であれば、家政婦紹介所に支払う紹介手数料も医療費控除の対象となる場合もあります(家事をしてもらう目的であれば対象外となります)。

 ただし、医療費控除を受けるためには、医師の指示や診断書などの医療的根拠が必要になる場合があります。また、控除額の計算方法や申告時期についても事前に確認しておくことが大切です。自治体によって制度や手続き方法が異なることもありますので、詳細はお近くの地方自治体の担当部署に相談されることをお奨めします。

按分計算の根拠を明確にしておく

 家事代行サービスの経費計上にあたって按分計算を行う場合、その根拠を明確にし、記録・保管することがとても重要です。税務調査では合理的な説明ができないと、経費として認められない可能性があります。

 もっとも一般的な按分方法は床面積に基づく按分で、自宅兼事務所の場合は、事業用として使っている床面積を全体の床面積で割り、その割合で費用を按分します。正確な床面積の測定や部屋の図面などの資料を保管しておきましょう。

 また、使用時間に基づく按分方法も認められています。例えば、1週間の総時間(168時間)に対し事業に使った時間の割合から按分率を計算します。この場合も、作業日誌や利用記録など客観的で継続的な資料の準備が欠かせません。

 さらに、按分割合は一貫性をもって決定し、年度途中で大幅に変更することは避けましょう。やむを得ず割合を変更する場合は、理由や根拠を明確に説明できるようにしておく必要があります。税務調査があった際に対応できるよう、按分計算書を作成して保存しておきましょう。

Ξ個人事業主や自営業の人が家事代行を依頼する5つのメリットとは?

 ここまで、家事代行の経費について、どのようなものが認められるのかやその計上内容について詳しくお話していきました。そこで気になるのが、「家事代行サービスって依頼するとどんなメリットがあるの?」ということです。もちろん、家事代行サービスは便利で快適な生活を送るのに良さそうですが、「わざわざ頼まなくても…」と思う方もいるでしょう。 

 しかし、実は家事代行サービスには生活の質を高めるだけでなく仕事や事業の成長への良い影響を与えられる可能性があるとして、経費計上の可否に関わらず「費用対効果が高いサービス」として評価されているのです。どういうことか、ここで詳しく見ていきましょう。

①仕事に集中できる

 家事代行サービスを利用することで、本来の業務に集中できる時間が大幅に増加します。掃除や洗濯、料理などの家事に費やしていた時間を、収益性の高い業務に振り向けることが可能になります。

 特に、個人事業主の場合は時間が直接収入に結びつくため、家事代行サービスの利用による時間創出の効果は大きいものがあります。1日2時間の家事時間を業務に充てることで、月間40時間以上の追加労働時間を確保できるかもしれません。

 また、家事のストレスから解放されることで、精神的な負担が軽減され、より創造的で生産性の高い業務に取り組むことができます。アイデアの発想や戦略的思考に集中できる環境が整うことで、事業の成長につながる可能性が高まるでしょう。クライアントとの重要な商談や締切のあるプロジェクトに専念できることも大きなメリットです。

②栄養満点で手作りの料理を楽しめる

 家事代行サービスの料理代行を利用することで、栄養バランスの取れた手作り料理を楽しむことができます。忙しい個人事業主にとって、健康的な食事の確保は重要な課題です。プロの料理スタッフによる調理は、栄養学的な知識に基づいた献立作成が可能です。

 個人の健康状態や好みに応じたカスタマイズも可能であり、外食や惣菜に頼る生活から脱却できる可能性もあります。週末に数日分の料理を準備してもらう「作り置きサービス」を利用することで、平日の食事準備時間を大幅に短縮でき、平日仕事に専念できる環境を整えることができるでしょう。

 また、季節の食材を活用した料理や、普段作らない料理を楽しむことができます。食事の楽しみが増えることで、生活の質が向上し、仕事への活力も高まる可能性があります。健康的な食事による体調管理は、長期的な事業継続にとって重要な要素です。

③片付いた家で快適な時間を過ごせる

 家事代行サービスの清掃や整理整頓によって、いつも整った環境で過ごせるのは大きなメリットです。整理された空間は集中力を高め、創造性を引き出すのに効果的です。また、必要な資料や道具をすぐに見つけられる環境は、探し物にかかる時間を大幅に減らし、業務効率のアップやストレス軽減にもつながります。

 特に自宅と事務所を兼用している場合は、清潔で整ったスペースが顧客や取引先に好印象を与えます。急な来客にも慌てず対応できるため、ビジネスチャンスを広げる機会にもつながるでしょう。片付いた空間は精神的なリラックス効果も生み出すため、睡眠の質も向上し、翌日の仕事に向けて活力を取り戻せる可能性があります。

④費用対効果が期待できる

 家事代行サービスの費用は、時間創出による収益機会の拡大を考慮すると、高い費用対効果が期待できます。サービス利用により確保できる時間を、時給換算で評価することで、投資対効果を客観的に判断できるでしょう。

 例えば、月額3万円の家事代行サービスを利用して月間20時間を確保し、その時間で時給3,000円の業務を行えば、実質的な収益は6万円となります。差し引き3万円の収益向上が見込めるかもしれません。また、健康管理の観点からも費用対効果があります。適切な食事と清潔な環境により、医療費の削減や病気による業務停止リスクの軽減が期待できるでしょう。

 家事代行サービスの利用により、家事用品の購入費用や光熱費の節約も可能です。プロの技術による効率的な作業により、無駄な消費を抑えることができるかもしれません。長期的な視点では、事業の成長と安定に寄与する投資として評価できます

⑤利用者のプライバシーは守られる

 信頼できる家事代行サービス会社では、利用者のプライバシー保護が徹底されています。個人事業主や自営業者にとって、機密情報の保護は重要な課題です。多くのサービス会社では、スタッフに守秘義務を課し、定期的な教育を実施しています。

 また、身元調査や信用調査を経たスタッフのみを派遣するため、安心してサービスを利用できるでしょう。事業関連の書類や情報についても、適切な取り扱いが期待できます。事前に注意事項を伝えることで、機密情報の漏洩リスクを最小限に抑えることが可能です。

 さらに、定期的に同じスタッフが訪問することで、信頼関係が築かれ、より安心してサービスを利用できるようになります。個人の生活パターンや好みを理解したスタッフによる、きめ細かいサービスが期待できるかもしれません。万が一のトラブルに備えて、損害保険に加入している会社を選ぶことも重要です。

適切な保険が備わっているか・物損や情報漏洩などのリスクに対する補償が確保されているか等、事前に確認しておきましょう。

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 家事代行サービスを初めて利用する際は、信頼できるサービス会社を選ぶことが最も重要です。そこでお勧めしたいのが「LOBBY(ロビー)」です。LOBBYは、お客様のライフスタイルや予算に合わせた柔軟なサービスプランを提供しており、初めての方でも安心してご利用いただけます。  

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監修

株式会社ロビー / 富裕層向け家事サービスのLOBBY(ロビー)

代表取締役
対馬 誉仁(Tsushima Takahito)

1977年香川県生まれ。慶應義塾大学商学部卒。JPモルガン証券を経て、2005年株式会社ロビーを設立。 「忙しい皆さまにホテルで暮らすような快適な毎日をお届けしたい」という想いが社名の由来。趣味は「仕事!」と言い切る熱血社長。