家事代行に関する豆知識

【家事代行サービス】低価格でサービスを実現できる仕組みを徹底解説!

 今や「家事代行サービス」の業界は群雄割拠の様相を呈しています。家事代行サービス業は、開業や廃業に伴う資格や手続き・認可などが必要なく、設備や資金もそれほど大掛かりなものを必要としないため、個人や法人を問わず参入しやすい業種であることも原因の一つでしょう。
 そのようななか、富裕層向けや高齢者に沿ったサービス、あるいは家事のなかでも料理に特化したサービスに絞るなど、各社が差別化を図ると同時に、価格競争が始まってきているのも現実です。
 ホームページを閲覧していると「なぜこんな低価格帯でサービスが可能なのだろう?」と同業ながら疑問に思うケースに出くわすことがあります。詳しく調べると、安い料金でもきちんと「商い」として成り立つ仕組みがあるのです。
 今回のコラムでは(そのサービスがお客様の満足度を充たしているのか、お客様のリクエストにきちんとマッチングしているのか?という問題は一旦棚上げして)「低価格でサービスを可能にする仕組み」について解説していくことにしたいと思います。

目次
・家事代行サービスの料金相場
・自社雇用している家事代行会社とマッチングサイトの違い
・低価格でサービスできる理由
・家事代行サービス会社とマッチングサイト、どちらを選ぶ?
・さいごに

Ξ家事代行サービスの料金相場

【家事代行サービス】低価格でサービスを実現できる仕組みを徹底解説!

 ところで家事代行サービスの料金相場はいくらくらいなのでしょう。独立行政法人中小企業基盤整備機構が2022年に発表した市場調査データ「家事代行(2022年版)」によると、家事支援サービスを既に利用している(もしくは利用していた人のなかで)1回あたりの家事支援サービスに支払った金額として多かった回答は「3,000円未満」の32.4%と「5,000円~1万円未満」の30%、が目立っています(下図参照)。
【家事代行サービス】低価格でサービスを実現できる仕組みを徹底解説!  
 この調査データでは1回あたりの利用時間が不明なので、明確なことは申し上げられませんが、最も一般的な1回あたり2時間と仮定すると、1時間あたり3,000円~4,500円のゾーンと1時間あたり1,500円以下のゾーンに分かれているようです。即ち、料金相場が非常に大きな価格差で二分化されているのです。

 少し話が変わりますが、筆者がホームページから任意に抽出した各社の1時間単価の高額順ベスト3と低額順ベスト3は以下の通りです。

■1時間単価の高額順ベスト3

社名(プラン名) 1時間単価(税抜) 利用時間 利用回数
B社/ロイヤルプラン 6,500 3時間/1回 月2回から
M社/エグゼクティブプラン 5,400 3時間/1回 毎週1回から
LOBBY/オーダーメイド 4,200 2時間~/1回 毎週1回から

 逆に同様に低額順ベスト3は以下のようになりました。

■1時間単価の低額順ベスト3

社名(プラン名) 1時間単価(税抜) 利用時間 利用回数
K社 1,000 1時間~/1回 毎週1回から
C社 1,164 2時間/1回 隔週1回から
T社 1,364 3時間/1回 スポット可

※ 上記の2つの表には「入会金」や「年会費」といった料金や「鍵の預かり代」などに代表されるオプション料は含まれていません。
※ また掃除と料理などの内容によってサービス料金が異なっている場合、安価な方を採択しています。

 上記の表をみて明らかになったのが、高額順ベスト3はすべてスタッフを自社雇用している家事代行会社であることと、低額順ベスト3は「家事代行を頼みたい人」と「家事を請け負う個人(家政婦)」をマッチングするプラットフォームであるということです。

Ξ自社雇用している家事代行会社とマッチングサイトの違い

【家事代行サービス】低価格でサービスを実現できる仕組みを徹底解説!

 一般のご利用者にとっては同じに見える家事代行サービススタッフ / 家政婦も雇用の形態で大きく2種に分かれます。まず一つは、家事代行サービスの会社に雇用されて働いているスタッフさん。もう一つは完全歩合制でフリーランスのように働いている家政婦さん。家事代行サービスの会社に雇用されているスタッフさんは、家事代行会社が契約したお客様宅に出向いてお仕事をしますが、フリーランスのように働いている家政婦さんは所謂マッチングサイトに登録をして、ご依頼をいただいたお客様と都度個人契約を結んでお仕事をします。

Ξ低価格でサービスできる理由

【家事代行サービス】低価格でサービスを実現できる仕組みを徹底解説!

 察しの良い方はもうお解りかと思います。家事代行のマッチングサイトの事業者は、直接雇用したスタッフを抱えているわけではなく、マッチングする場所を提供しているだけですので、人件費(社会保険等の各種保険料も含む)を極限まで抑えることができるのです。最近はさすがに改善に向けた動きもあるようですが、家事代行サービス会社が採用に際して面接や試験、研修をきちんと施してスタッフの質を一定に保っていたのに対して、初期の頃のあるマッチングサイト事業者は、来る者拒まずで登録をさせていたため、在籍スタッフのスキルの差が激しく、お客様にご満足をいただけなかったり、逆にお客様のことも全く解らずご依頼を受けるので、いざスタッフが伺ってみるとお客様との意思の疎通が不十分であったり、やや問題のあるお客様で、サービスするまでに至らず帰社してしまった等、など多々問題も含んでいたようです。
 改善傾向にあるマッチングサイトでも、基本はあくまで個人同士の契約なので、作業中の事故等の場合はどうするのかなど、注意が必要です。なかにはスタッフのサービス料金をスタッフ自身に設定させているマッチングサイトもあると聞きます。あくまで自己申告のスキルに基づいた料金なので「当たり外れ」の問題も懸念されますね。

Ξ家事代行サービス会社とマッチングサイト、どちらを選ぶ?

【家事代行サービス】低価格でサービスを実現できる仕組みを徹底解説!

 整理の意味もこめて家事代行サービス会社とマッチングサイトを表にして比較してみましょう。

家事代行サービス会社 マッチングサイト
料金 1時間あたり5,000円前後 1時間あたり1,000円台
スタッフ(サービス)の質 一定の質を保っている 個人差が大きい可能性あり
トラブル対応 会社がきちんと仲介 個人で解決
物損時 損害賠償保険でカバー 当人同士の話し合い
依頼からサービスに要する期間 1週間から10日程度 即日対応可の場合あり

Ξさいごに

【家事代行サービス】低価格でサービスを実現できる仕組みを徹底解説!

 ここまでお読みいただいた方は「低価格で家事代行サービスを提供できる仕組み」をご理解いただけたかと思います。低価格でサービスを提供できているのはマッチングサイト事業者で、人件費を抑えることで低価格化を実現し得たのです。
 代わりにAIを駆使してマッチングのスピードを上げ、「必要なときだけすぐに頼める」という顧客の要望を叶え、低価格化によって家事代行サービスに依頼する心理的ハードルを下げた功績は大きいものだといえるでしょう。決して「安かろう悪かろう」と言えるものではありません。

 厳密に言えば、家事代行サービス会社が目指すサービスとマッチングサイト事業者が目指すサービスは似て非なるものでしょう。利用者としても自らが家事代行サービスのなかで「綺麗な状態を永く続けてキープしたいのか」、「一時的にでもとにかく綺麗にしてもらいたいのか」など、どういった点を重視するかによって、よくよく考えて選ぶようにするのがオススメだと考えます。

 

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監修

株式会社ロビー / 富裕層向け家事サービスのLOBBY(ロビー)

代表取締役
対馬 誉仁(Tsushima Takahito)

1977年香川県生まれ。慶應義塾大学商学部卒。JPモルガン証券を経て、2005年株式会社ロビーを設立。 「忙しい皆さまにホテルで暮らすような快適な毎日をお届けしたい」という想いが社名の由来。趣味は「仕事!」と言い切る熱血社長。