家事代行に関する豆知識

「住み込み家政婦」と個人契約する! ~契約のポイントを徹底解説~

 「介護保険を利用しているが、やって欲しくてもできないことがある・・・」「夜間の見守りを任せ、安心して眠りたい・・・」「早朝勤務や深夜勤務等仕事のシフトが不確定で、小さな子どものお世話ができない・・・」等々。様々な理由から「住み込みの家政婦」さんを検討している方々が多くいらっしゃいます。しかし、「住み込みの家政婦」さんと個人契約するとなると、家事代行サービスを利用するのとは異なる点が多々あり、頭を悩ますことも多いでしょう。
 そこで今回のコラムでは「住み込み家政婦と個人契約する!」と題して、「住み込みの家政婦」さんの探し方から、かかる費用面、契約時の注意点まで、「住み込みの家政婦」さんの利用を検討されている皆様に、知っておいていただきたい必要十分な情報を解りやすく徹底的に解説させていただきたいと思います。「住み込み家政婦」さんにご興味をお持ちの方は、是非ご一読ください。

 

目次

「住み込み家政婦」の特殊性を理解しておきましょう

「住み込み家政婦」に何をメインにお願いしたいかを決めましょう

「住み込み家政婦」の料金相場

「住み込み家政婦」の探し方

「住み込み家政婦」との雇用契約書の雛形(基礎編)

 さいごに

 

Ξ「住み込み家政婦」の特殊性を理解しておきましょう

 

「住み込み家政婦と個人契約する!」~求人の方法から費用、契約のポイントまで徹底解説~

 

「個人契約の家政婦」は労働基準法の対象外の存在であること

 労働基準法の「労働者」とは、職種を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者を指します(労働基準法 第9条)。労働基準法は、原則としてすべての労働者に適用されますが、なかには適用を除外される労働者もいます。それが、同居の親族のみを使用する事業と「家事使用人(=個人契約の家政婦)」なのです(労働基準法 第116条2項)。 

「家政婦」には2つの種類があります。

 どうして「家政婦」には、2つの種類があるのでしょう。それは雇用形態の違いによるからです。各々説明していきましょう。

労働基準法が適用される家政婦:家政婦紹介所や家事サービス代行会社など事業として請負う者に雇われた者が各家庭をまわり、個人の家庭の家事を事業として請負う者の指揮命令のもとその家事を行う者。

労働基準法が適用されない家政婦:個人の家庭において、その個人に雇用されその家族の指揮命令のもとで家事全般に従事している者。雇い主が個人である場合はもちろんのこと、法人に雇われ、その役員などの家で家事を行う場合も含まれます

 即ち「個人契約の家政婦」は「住み込み」「通い」に関わらず、「労働基準法が適用されない家政婦」に該当するのです。

 

労働基準法に適用されないとどうなる?

 「労働基準法」適用外ということは「法定労働時間」(1日8時間・1週40時間を超えて働いてはいけない)も関係なくなりますし、社会保険・労災保険・雇用保険の被保険者にもなれません。つまり一般の「労働者」としてのメリットは受けられなくなります。「住み込みの家政婦」を希望する人が少ない理由の一つとして、この労働基準法に守ってもらえないという点が挙げられるではないでしょうか。万が一業務中に怪我をしても労災にならない・・・、急に解雇されてしまっても失業保険ももらえない・・・、労働者としてはどうしても不安になってしまいがちです。雇用主は、雇用にあたってその点を十分に理解しておいてあげる必要があるでしょう。

 

Ξ「住み込み家政婦」に何をメインにお願いしたいかを決めましょう

 

「住み込み家政婦と個人契約する!」~求人の方法から費用、契約のポイントまで徹底解説~

 

 例えば「住み込み家政婦」さんに「炊事(一日三食)・掃除・洗濯等家事の全てをお任せしたい」という方もいらっしゃるでしょう。「子どもの送迎&見守り等、留守中の子どもの世話をメインにお願いしたい」という方もいらっしゃるかもしれません。このように、予め「住み込み家政婦」さんに何をメインにお願いしたいかを、しっかりと決めておきましょう。その内容によって、勤務の時間帯や費用の目安が自ずと決まってくるようになります。
 例えば深夜の介護サポートを主たる目的にする場合ですと、必要な家政婦さんのスキル等も多くなってくるので、より一層探すことが困難になってくるかもしれません。「住み込み家政婦」さんを雇う際の大きなメリットである「深夜帯の介護」は、需要も多いため予算も多めに見積もったほうが良いと判断できます。ましてや、介護保険の等級に合わせてホームヘルパーで対応できる内容でないと介護保険の適応が難しい場合は尚更でしょう。そういった場合は、家政婦さんと細かな点まで確認しあってお給料の額や最終的な採否を決めることになります。

 以上のような理由から「住み込み家政婦」さんに何をメインにお願いしたいかを決めておくことが重要になってくるのです。

 

Ξ「住み込み家政婦」の料金相場

 

「住み込み家政婦と個人契約する!」~求人の方法から費用、契約のポイントまで徹底解説~

 

 一口に「住み込み家政婦の料金相場」といっても、「およそ幾ら程度」とはなかなか答えられないというのが正直なところです。お願いする時間帯(日勤より夜勤のほうが高額になるでしょう)や作業内容(家事一般よりは介護関連のほうが高額になるでしょう)によっても大きく変わってきます。
 また、「住み込み家政婦」さん自身の食事や寝処等の問題もあります。全額雇用主が負担するのか、一定額控除するのかによっても変わってきます。
 長期に亘るお話になるでしょうから、よくよく検討して決める必要があります。あくまで概算ですが・・・最低300,000/月。ケースによっては700,000/月の出費となる場合もあるかもしれません(参照:コラム「住み込み家政婦の料金相場は?雇うメリットや注意点も紹介)。尚、この金額には紹介料や求人広告掲載料等の初期費用は一切含んでおりませんので、ご承知おきください。
 「住み込み家政婦」の料金相場は勤務時間(帯)や作業内容によって大きく変化するものだということを頭に留めておいていただければと思います。

 

Ξ「住み込み家政婦」の探し方

 

「住み込み家政婦と個人契約する!」~求人の方法から費用、契約のポイントまで徹底解説~

 

 「住み込み家政婦」さんに「やってもらいたいこと」「給与の目安」が確定したら、いよいよ実際に「住み込み家政婦」さんの求人作業を始めていきます。
 最初から厳しいことを言うようですが「住み込み家政婦」さんを探すのは、現在では至難の業のようです。そもそも「住み込み家政婦」を希望する方が需要に対して少ないのです。ある程度時間の余裕を持ってあたっていくようにしましょう。
 具体的に「住み込み家政婦」さんを探す方法は大別して4つの方法が考えられます。

家政婦紹介所や家事代行サービス会社に相談する(※「住み込み家政婦」に対応しているところと対応していないところ双方ありますので、ご注意ください)。
お住まいの地域を担当する「ハローワーク」に求人をだす(※ 良い窓口担当者にあたれば、住み込み求人の状況や地域の給与相場の相談にのってもらえる可能性もあります)
求人媒体に掲載する(※ 求人で有名な『タウンワーク』や『アイデム』といった媒体は、法人や個人事業主の求人のみで、個人の求人は掲載してくれませんが、地域のコミュニティ誌などで掲載が可能であれば、掲載をお願いしてみましょう)
知人から紹介してもらう(※ 日頃から「住み込みの家政婦」さんを探していることを伝えて、興味を持っている人がいれば、紹介してもらえるよう頼んでおきましょう) 最も「住み込みの家政婦」さんが見つかる可能性が高いのは、家政婦紹介所かもしれませんが、相応の紹介料を請求されることをご留意ください。

 

Ξ「住み込み家政婦」との雇用契約書の雛形(基礎編)

 

「住み込み家政婦と個人契約する!」~求人の方法から費用、契約のポイントまで徹底解説~

 

 幸い、面接の結果、良い家政婦さんが見つかったとします。次にやらなければいけないのは「雇用契約書」の作成です。家政婦さんと話し合って、決めた結果を最大限盛り込むようにしておきましょう。当然、急に「雇用契約書」と言われても戸惑う方も多いかもしれません。必要最低限の内容を盛り込んだ「雇用契約書」の基本の雛形を下記に提示しておきます。こちらを参考にして、家政婦さんとの話し合った内容を肉付けして作成してみてください。

「雇用契約書」(サンプル例)

雇 用 契 約 書

 

使用者〇〇〇〇(以下、「甲」という。)と被用者〇〇〇〇(以下、「乙」という。)とは、本日、次のとおり雇用契約を締結する。

第1条 甲は次の労働条件により乙を住込家事使用人として雇用し、乙は、甲の指示命令及び甲とのその他の諸規定に従い、誠実に勤務することを約した。

(1)就業場所(住込室)
    〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目〇〇番〇〇号
    〇〇〇〇(住込室 2階〇〇室)

(2)業務内容 〇〇〇〇、〇〇〇〇、〇〇〇〇、前各号に附帯関連する一切の業務

(3)就業時間 午前〇時〇分から午後〇時〇分

(4)休憩時間 午前〇時〇分から午後〇時〇分

(5)休日 〇〇〇〇

(6)賃金 月給〇〇〇〇円(毎月〇〇日締め〇〇日払い)

(7)その他 食費〇〇〇〇円、水道光熱費〇〇〇〇円

        〇〇〇〇以外の無断外泊は禁止とする

 

第2条 乙は、住込室の使用にあたっては、次の事項を遵守しなければならない。

(1)他人を同居宿泊させないこと

(2)ペット、危険物を持ち込まないこと

(3)現状を変更しないこと

(4)〇〇〇〇

 

第3条 乙が本契約に違反し、又は甲とのその他の諸規定に違反したときは、甲は乙を解雇することができる。乙が解雇されたときは、乙は、〇日以内に住込室を甲に明け渡さなければならない。

第4条 本契約に定めのない事項については、甲とのその他の諸規定の定めるところによる。

 

以上のとおり契約が成立したことを証するため、本書を2通作成し、各自署名押印のうえ、それぞれ1通を保有する。

 

令和〇年〇〇月〇〇日

                   使用者(甲)住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目〇〇番〇〇号

                                       〇〇〇〇 ㊞

                   被用者(乙)住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目〇〇番〇〇号

                                       〇〇〇〇 ㊞

 

 上記の「雇用契約書」はあくまで一例です。見本のなかの『甲とのその他の諸規定』には、「機密保持契約書」や「物損時の責任の所在と弁済方法」「身元保証書」等が含まれます。
 労働に関する契約は、法の改正や判例等により年々複雑化しています。労使トラブルの防止、また万一トラブルが発生した際の早期解決のためにも、弁護士や社会保険労務士等の先生にチェックしてみてもらうのが、安心でオススメですね。

 

Ξさいごに

 

「住み込み家政婦と個人契約する!」~求人の方法から費用、契約のポイントまで徹底解説~

 

 さいごに「住み込み家政婦」とのいい関係を築くするためのコツをお伝えしておきましょう。それは「住み込み家政婦さんのプライベートを尊重する」ということです。住み込み家政婦さんがゆったりとリラックスできる環境を作ってあげましょう。そして労いの言葉を忘れないこと。この2点を大切にすることを忘れないようにしてください。

家事代行サービスのLOBBY(ロビー)

 今日では自宅の家事を依頼する方法はもっと多様化しています。特に、これまでの「お手伝いさん」や「家政婦さん」に代わって近年急速に認知度が高まり、利用者が増えているのが「家事代行サービス」です。「家事代行サービス」とは、仕事や育児・介護などで忙しいお客様に代わって、お客様宅お掃除・洗濯・料理等の日常家事をするサービスです。「お手伝いさん」や「家政婦さん」が個人間の契約であるのに対して、「家事代行サービス」は企業が消費者向けサービスとして提供する点が一番の違いです。

 

LOBBY(ロビー)は首都圏と関西圏で高品質な「家事代行サービス」を提供しています。

 

 当社は首都圏と関西圏で高品質な「家事代行サービス」を提供している会社です。忙しい皆さまに「ホテルで暮らすような快適な毎日」をお届けするをコンセプトに、2005年の設立以来、経営者や医師などの多くの富裕層の方々にご利用いただいております。いつも通り、希望通りに。週1回 / 2時間~の定期サービスで、掃除・洗濯・料理などの日常の家事を代行しています。

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監修

株式会社ロビー / 富裕層向け家事サービスのLOBBY(ロビー)

代表取締役
対馬 誉仁(Tsushima Takahito)

1977年香川県生まれ。慶應義塾大学商学部卒。JPモルガン証券を経て、2005年株式会社ロビーを設立。 「忙しい皆さまにホテルで暮らすような快適な毎日をお届けしたい」という想いが社名の由来。趣味は「仕事!」と言い切る熱血社長。